結論を最初に書きます。政府は受益者負担という理由で国立大学授業料を上げ続けてきたけど、教育の一番の受益者って国と国民全体ですよね?
だから国がもっと負担すべきだと思うのです。
朝からこんなエントリを読んだので、じゃあ今の大学生の経済状況ってどうなの?とか思ったわけですよ。
もう若者にホームレスになれと言っているとしか思えないのでまとめてみたよ。
奨学金を自己責任の問題にすると日本が滅ぶ - 技術教師ブログ
自分が大学生のときは、毎月の生活費は7〜8万円くらいあればなんとかなってました。で、収入はというと、奨学金月額27000円はそのままアパートの家賃に支払って、仕送り40000円で光熱費と食費、不足額は適当にアルバイトしてやり繰りしてました。
当時の授業料は年間で252000円。半期ごとに支払うから126000円でしたが、授業料半額免除になってたから63000円。月額にすると10500円ですよ。半額免除にならなくても月額21000円です。
この程度の金額なら、仕送りがなくてもアルバイトをちょっとがんばれば、奨学金とアルバイトの収入だけで大学を卒業できてたんですよ。昔は。
「国立大学と私立大学の授業料等の推移」っていう資料が文部科学省のサイトにあったので、画像で貼っておきますね。
国立大学と私立大学の授業料等の推移
国立大学法人評価委員会 大学共同利用機関法人分科会 業務及び財務等審議専門部会(第1回)議事録・配付資料 [資料5] 国立大学と私立大学の授業料等の推移-文部科学省
授業料がいかに高騰しているのかがよくわかりますよね。
これに対して、所得額の変化を見てみましょう。
大卒初任給の金額と比較してみましょう。
1954年から1973年の間は高度経済成長の時期で、政府により1961年に所得倍増計画(10年間で国民総生産を2倍にする)が進められた時期にあたるので、その後の安定成長期から停滞期について見ていきましょう。
昭和50年は1975年ですから、大卒初任給は91282円です。10年後の昭和60年には大卒初任給は144541円ですので、約1.5倍に増えていますね。この間に授業料は36000円から252000円に増えています。7倍です。
1985年と15年後の2000年を比較してみましょう。2000年の大卒初任給は201389円なので、1985年に比べると約1.4倍に増えました。授業料は252000円から447600円に増えて、約1.8倍に増えました。
1975年(昭和50年)と2000年ではどうでしょう?大卒初任給91272円から201389円なので約2.2倍に増えました。授業料は36000円から478800円なので、約13.3倍に増えています。バブル崩壊後は大卒初任給は20万円あたりで頭打ちになっているのでほとんど増えていません。
大卒初任給ではなく世帯年収で見るとどうでしょう?厚生労働省のサイトで「1世帯当たり平均所得金額の年次推移」のグラフを見つけたので貼っておきますね。
増えてないですよね。平成8年をピークに減ってますよね。でも国立大学授業料は10%も増えています。この状況で授業料を上げるなんて理解できませんよね。
「大学授業料 国際比較」で検索すると、日本の異常さがよくわかります。