全国の原子力発電所が稼働停止しているためか、日本のあちこちで小水力発電所が作られているようです。
ニュースをいくつかピックアップしてみましょう。
福島県を流れる阿武隈川に、1938年に造られたダムと水力発電所がある。このダムから下流の自然環境を保護するために放流する「河川維持流量」を利用した小水力発電が始まった。
電力供給サービス:76年前に造ったダムから小水力発電、ユニット型の水車発電機で工期短縮 - スマートジャパン
東北地方整備局は宮城県大崎市鳴子温泉の鳴子ダムに小水力発電を新設する。農業用の放流水を活用し、ダム管理に使う電力を賄うほか、災害時の非常用電源とする。
鳴子ダムに小水力発電を新設 年165世帯分16年度完成へ | 河北新報オンラインニュース
水力発電装置の開発などを手掛ける秋田市の「東北小水力発電」(和久礼次郎社長)は、美郷町金沢東根の農業用ため池に小水力発電設備を設置する。最大出力は199キロワットで、年間発電量は一般家庭約300世帯消費相当分の97万1千キロワット時を見込む。総事業費は2億5千万円。9月に着工し、来年4月の稼働開始を目指す。同社によると、農業用ため池を利用した小水力発電は全国で珍しいという。
ため池利用し小水力発電 秋田市の企業、美郷町で来春稼働へ|さきがけonTheWeb
検索すると、こんなニュースがたくさんヒットします。すでに稼働を開始している小水力発電所も多いようです。
そしてヒットするのは小水力発電所だけではなく、小水力発電所の設計や建設に関わる企業もたくさんヒットします。これからしばらくの間は成長分野になるんじゃないかと思います。
大きな水力発電所は巨大なダムを作らないといけないので、そう簡単には作れませんが、小水力発電所なら候補地はいくらでもあります。ただ、建設する前の問題点をクリアすればいいだけなのです。
問題点に関しては、ITメディアの記事がうまくまとまっていました。
日本中に流れる川の水を有効に利用すれば、小水力発電の規模を飛躍的に拡大することができる。実際に各地域の自治体が導入プロジェクトを進めているが、期待ほどには設置件数が増えていない。維持管理に手間がかかるほか、天候によって水量が変動して採算性を見込みにくい点が課題だ。
再生可能エネルギーの現実(3):小水力発電の3つの課題-水利権、採算性、維持管理- - スマートジャパン
水利権は法的な問題なので規制緩和するのがいいのだろうと思います。採算性もそれほど悪くはありません。最後の維持管理(清掃作業)をなんとかすれば、発電コストも下げられるんじゃないかと思います。
水力発電のもとになっているのは、水が高いところから低いところに移動するときの位置エネルギーです。使わなければ単に水が流れていくだけです。使わないともったいないですよね。